【実践紹介⑤~➆】5年生 これからの自動車づくりプランを提案しよう

本校社会科の安倍堅介です。今回は「これからの自動車づくりプランを提案しよう」第5時~第7時の実践を紹介したいと思います。

 

第4時では、現在生産されている自動車について調べることを通して、改めてどの視点で自動車が提案できそうか・提案してみたいか見通しをもつ姿がありました。第5時~第7時では同じ視点に着目している子どもで班を編成し、自動車づくりプランを作成していきました。

 

第5時~第7時の目標

提案する相手の立場について話し合うことを通して、社会の状況や消費者のニーズを基にこれからの自動車づくりプランを考えることができる。

 

主な学習活動

    どの立場の人に向けて自動車づくりプランを考えられそうか・考えてみたいか話し合う。

    社会の状況や消費者のニーズを基に自動車づくりプランを考える。

 

学びの様子

    どの立場の人に向けて自動車づくりプランを考えられそうか・考えてみたいか話し合う。

前時で提案する相手の立場を意識している子どもの振り返りを取り上げ、教師が問いかけると以下のようなやり取りが生じました。

T:このAさんの振り返りは誰向けに自動車を考えようとしているかな?

C:お年寄りだと思う。UDって書いてあるから。

C:お年寄りの人って背が高い車とか乗りにくそうだと思っています。

C:確かに。足を高く上げないといけないからね。

C:障害のある方向けにも考えようとしているね。

T:他にも提案する相手の立場を考えている人?

C:ぼくはお年寄りや腰を痛めている人にしようと思っています。一般の人でも自分の周りに腰を痛めている人が多いような気がしているからです。

K:ぼくは地球に向けて考えたい。

C:地球?

C:環境ってこと?

K:説明すると、ぼくは石油とかがあまりないって聞いたことがあるから、なくならないように地球に向けての車を考えて提案してみたいと思っています。

T:具体的に相手が見えている人がいるね。こうやって提案する立場を考えることって大切?

C:立場とかを変えるだけで、障害のある方やお年寄りの方だったらユニバーサルデザインとかを中心に考えて、地球など環境目線だったら燃料とかのことで考えていけばよいと思う。

C:視点と関係してくるね。

C:提案の仕方にも関わってきそう。

T:なるほどね。この他にも関係しそうな立場はありそうですか?

R:一般の人。

C:広くない?

R:ぼくたちの親みたいな人のイメージ。

C:一般の人にも入りそうだけど、ペット連れの方。最近ペットと近くにいると心が落ち着くという話をよく聞くから。

C:確かに。その目線で何か考えられそうだね。

C:小さい子ども連れの人。前の話で鍵が車の中に入ったままで中の子どもは車を開けられないという場面を見たことがありました。熱中症につながるかもと思ったことがあって・・・

C:私もそんなことをニュースで聞いたことあるよ。

T:経験から考えられるって本当に素敵なことだね。こうやって考えていくとなんだかよい車を考えられそうだね。

 話し合いを通して、提案してみたい相手の立場が徐々に明らかになってきました。前時で視点が定まっていた子どもはより相手意識を鮮明に、定まっていなかった子どもも生活経験から考えようとしている様子がうかがえました。

 

    社会の状況や消費者のニーズを基に自動車づくりプランを考える。

同じ視点で考えている子どもで班を作り、自動車づくりプランを考えていきました。その際、前時でふれた社会の状況に関する資料(交通事故件数の推移等)や保護者向けへのこれからの自動車に関するニーズ調査に立ち止まり考える姿も見られました。

各班が着目している視点と提案シートは以下のとおりです。

安心・安全 1班



環境 2班・3班・4班・5班

  
 

ユニバーサルデザイン、利便性 6班・7班

 

様々な環境で使用可能 8班

 保護者へのニーズ調査を入り口に視点に沿って子どもならではの目線でこれからの自動車を考えている姿が見られました。シートの記述からも各班とも理想論ではなく、現実的に可能かという視点で自動車を考えていることがうかがえます。自動車づくりプランを考える中で、「どの視点も大切にしようとすると提案できなくなる」という困り事が表出してきた班もあり、後の工業生産で大切なことに対する立ち止まりにも活かせるのではないかと思っています。

 次回はいよいよトヨタ自動車の方へ提案です。子どもたちが実際に提案しフィードバックをいただくことで、どのような学びの姿が見られるのか・・・

授業者も子どもたちと共に学びをたのしみたいと思います。



 以下は本時のふり返りです。



最後までお読みいただきありがとうございました。

 

社会科 安倍 堅介

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