【実践紹介⓪~①】3年生 店ではたらく人と仕事 ~単元の枠組み~

   本校一年目の安倍 堅介と申します。現在、3年2組の担任をしております。3年生は社会科1年生、これまでの生活科での学びから社会科では社会的事象、理科では自然事象との出合いを通して、さらに事象の特色や相互の関連、意味を追究していくことになります。

 

 社会科の学習と言うと、暗記中心・・・そんな授業に関するイメージをもっておられる方も少なくはないのでしょうか。小学校社会科では、各学年で人々の営みに関する内容を扱います。そんな社会的事象を自分との関わりで捉えられたとき、そこでの人々の思いをくみ取ることができたときに学びをたのしめるのではないかと考えています。

 そんな社会科1年生である3年生が「身の回りのことに『はてな?』を見いだし、解決するたのしさ」や「授業での学びを広げたくなる、社会と関わり続ける有用性」を感じられるように取り組んでいきたいと思っています。

 

 今回、「店ではたらく人と仕事」という単元で実践を進めたいと思います。

主な主張点は、比較することです!本単元では、スーパーマーケットを例に学習を進めます。小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編の内容の取扱いでも、「例えば,小売店,スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパート,移動販売などの中から選択して,商店を取り上げることとし,(以下省略)」とあるように、社会的事象の選択例が示されておりますが、スーパーマーケットを例に学習を進めるだけで、子どもたちは販売の仕事についての汎用的な力をつけることができるのでしょうか。2つの社会的事象を比べるからこそ、販売の仕事の本質を見いだすことができるのではないかと考えます。

 

 

そこで、今回は単元の中で、並行してコンビニエンスストアを取り上げ学習を進めます。2つの事象を比較することで、販売の仕事は売り上げを高めるために、消費者の願いと関連して行われていることに気付くことをねらいとして実践を進めます。

 

 

長くなりましたが、第1時についてお伝えしていきます。

第1時の目標

スーパーマーケット内の配置図をかく活動を通して、お店の工夫に目を向けて学習を進めるという見通しをもつことができる。

 

主な学習活動

① 自分たちの買い物経験を出し合う。

➁ スーパーマーケット内の配置図をかき、仕事の工夫に目を向ける。

 

学びの様子

    自分達の買い物経験を出し合う。

まず、子どもたちに「スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」「ショッピングモール」「移動販売」の写真資料を提示しました。

 

T:それぞれのお店で買ったことはあるかな?

C:移動販売いがいはあるよ。移動販売っていうのは、お店の人が売りに来てくれること。たしか、天草とかでやっていたような・・・

C:スーパーはよくお母さんと行くよ。今日も行く。

T:みんなはどんなことを考えて、買い物をしているのかな?
C
:僕は必要な物だけ買うようにしているよ。

C:私は安く買いたいって思っています。

C:分かる。お金足りるかなって心配になるもんね。

C:お母さんと今日の晩御飯のことを考えて、買い物しているよ。

C:僕は回る順番を考えているよ。アイスとかは・・・

 

子どもたちは自身の経験から消費者としての率直な思いを出していました。今後の単元後半で仕事の工夫と関連させて思考できるように、消費者・販売者の立場の意識づけを行いました。

 

    スーパーマーケット内の配置図をかき、仕事の工夫に目を向ける。

 本学級では実際にスーパーで買い物をする人が多かったこともあり、店内配置図をかいてみることにしました。その際、出入り口の数やお肉などの各コーナーは枠組みを揃えて行いました。






 





T:スーパーでは、どこに何があるか配置図をかいてみましょう。

C:お肉やお魚は奥(入口から1番遠く)だった気がする。

C:野菜ってどこだっけ。

C:いつもそんな目でスーパーに行ってないから分からないよ。

 

 そこで、スーパーの店内配置図の一例を提示しました。

C:えぇー(多数の驚きの声)

T:全てのスーパーがこの配置ってわけではないみたいだけど・・・配置に意味ってあるのかな?

C:ありそうだけど、分からないな。

C:タブレットで調べてみようかな。なんでものっているから。

C:でもタブレットは間違った情報もあるよね。正しいのは、教科書だと思う。

C:実際に見学して働いている人に聞いた方がいいんじゃないかな。

C:タブレットで調べた時に、例えば2年前の情報だと今は正しくはないから、お店に行って今のことを聞いた方がいいと思う。

 

 

 子どもたちの文脈が調べ方の話題で進んだので、実際に見学したいと意欲の高まりがみられたところで現地調査という枠組みで学びを進めることにしました。最後にお店側の願いである「売り上げ」を押さえた後に、単元のめあてを作成しました。今後は、現地調査で得た学びを通して、どんな主題で単元の学習を進めるのか設定していきたいと思います。










最後までお読みいただきありがとうございました。

 

社会科 安倍 堅介