五年生 「附属小の『今』を伝えるニュース記事を作ろう!」 一時間目

皆さんこんにちは。本校二年目となりました。社会科の白石和真です。

今年は五年生の担任をさせていただいています。教員になって初めての五年生担任なので,授業も初めて行う内容ばかりで日々わくわくしながら子ども達と学んでいるところです。

さて,今回は五年生の単元「情報を伝える人々と私たち」が始まりましたので,ご紹介させていただけたらと思います。

現在の社会では,テレビをはじめとしたマスメディアを利用することで,自分が得たい情報を容易に入手することができます。また,第五のマスメディアと呼ばれるインターネットで情報を得る機会が主流になりつつあり,情報を得るだけでなく,誰でも簡単に情報を発信することもできます。つまり,いつでもだれでも情報の受け手になることはもちろん,意図せず送り手にもなりうる環境になっていると言えるのではないでしょうか。

本校の子どもたちに目を向けてみると,「情報はとても便利なものだが,誤った情報を信じないようにする」など,情報の受け手として偽りの情報も紛れているという事実は理解しつつも,意識的に正しい情報を選択してる子ども達は多くはないように見えます。また,今の社会では意図せずだれでも送り手という立場になりうる環境にあるという意識はほとんどありません。そこで,情報の受け手としてはもちろん,送り手にもなりうる環境にあるということを自覚した上で,自分の生活を見返し,情報を扱う上で大切なことは何か考えてほしいとう思いを基に単元を考えてみました。

まず,単元の導入では,子ども達に事前にとったアンケートの結果を基に,普段自分たちが情報を得る時はどのメディアを利用することが多いのかを確認しました。すると,多くの子どもたちは主にテレビやインターネットから情報を得ることが多いという事実が明らかになりました。また,それ以外のメディア(新聞,ラジオ,雑誌)はどのようなときに利用することがあるのかを問うことで,それぞれのメディアの特徴を簡単に整理していきました。

その後,「情報」というものを扱う時に何か注意していることや意識していることを問うたところ,以下のような発言がありました。

かつき「自分が見た動画がフェイクニュースじゃないかどうか気をつけている。」

T「フェイクニュースってなに?」

かつき「熊本地震の時にライオンが逃げた嘘のニュースが流れたこととか。嘘の情報に気をつけてる。」

たかひで「おれおれ詐欺とかもあるから。自分が幼いときに電話でたときにかかってきたことがある。」

れんのすけ「個人情報を送らないように注意しています。」

「なるほど。他にはある?」

りい「あんまり言葉にしたくないけど,調べる時とかに変な広告とか出てくるから押さないように注意してる。」



板書をしながら,情報には受け手という立場と,送り手という立場があることを子ども達と確認した上で,以下のアンケートの結果を子ども達に提示しました。



C「えー,意外と(送り手)少ない!」

ゆう「でも,ラインとかメールも送り手になるんじゃないの?」

C「えー,そうなの?」

しん「ゲームとかでチャットにコメントとかはしたことあるけど…。」

T「それはどっち(送り手になったことになる)なの?」

りん「いや,個人情報を送らなければいいんじゃない?」

りあ「いやー,さすがに限度があるよ。」

 

「噓の情報に注意する」など,情報の受け手として最低限の自覚はありつつも,送り手の自覚はまだまだ足りない様子でした。ゲーム上のやり取りは問題ない,個人情報にさえ気を付けていればよいなど,自分が送り手になっていることに無自覚な子ども達も多数いました。

 

T「今の世の中って,昔に比べて簡単に送り手になることができるようになってきてるんだよね。じゃあ,(情報を扱う上で)気を付けることってこれだけでいい?」

C「だめ!」

C「それ以外にもまぁまぁある。」

T「情報の受け手には普段みんななってると思うんだけど,送り手になったことってそんなにないんだよね?」

CC「ない!ぜろ!」

T「でもさ,これから大きくなっていったときに送り手になる機会って増えてくると思うんだよね。気づいたらなってたっていうパターンもあるし,ならざるを得ないことも出てくると思うんだよね。」

さき「そう?なんで?」

T「仕事とかの関係でね。先生だったら時間割を作ることとか。仕事に限らず普段の生活でも。あなた達のお父さんお母さんもあなたたちに普段情報を伝えてくれてるでしょ?」

さき「あー,そういうことね。」

T「だから今回がっつり送り手の立場になってみない?これはどうかな?」

 



CC「おー。」

T「今回みんなで記者体験をしてみませんか?」

C「おお!」

C「え,やりたい!」

T「そして実際に学校に新聞を掲示して,配布もしようかなと考えています。」

CC「えー!!」

T「この間も新聞(水産業を学単元で新聞を作成しました。)つくったけど,見た人からコメントとかもらってなかったでしょ?ほしくない?」

さき「ほしい!見た人がどう思ったのかとかを知りたい。」

 

その後,新聞の形式や条件を簡単に子ども達に説明していきました。※以下参照




ある程度記事の条件等を説明した後に,今回の新聞をつくる目的を簡単に話し合いました。

T「自分たちの記事を見て,どうなってほしい?」

たかひで「詐欺とかに会ってほしくなってないから,記事を見て気を付けようってなってほしい。前向きに。」

しょう「先生の記事見ても気をつけようってはならんくない?」

さき「その先生と話したいなってなればいい!困ったときはこの先生なら助けてくれるみたいな。」

T「なるほど。なら,また後で目的はきめるからそれぞれ考えておいてね。じゃあ,もう記事つくれる?」

CC「つくれます。」「いや,無理!」

まさし「自分でもわかってないことが多すぎるから無理。具体的なこととかを調べる時間が必要。実際の記者だってみんなにアンケートとかを取ってるから。」

T「なるほど。みんなは新聞ができるまでどんなことがあるか知ってる?」

C「はい!知ってる!動画で見たことある!」

さき「現場に行くこととかが大切だと思う。」

TOK。そういえば,先生の知り合いで実際に記者の方がいらっしゃるから会ってみる?現場に行くのは難しいけど,お願いしたらお話は聞けるかもしれないけどどうする?」

さき「もちろん!会いたい!」

T「この間,ゆりさんも実際に漁業の体験をしたことないから漁師の人の気持ちとかが分からないっても言ってたよね。会えたらあってみようか。じゃあ残りの時間は振り返りもかねて,もしお会いできるってなったらどんな質問をしてみたいとかを考えてみて。」

 

残りの時間で記者の方への質問を考えました。授業後に,熊本日日新聞の方にお願いをして,実際に学校に来てもらえることを子ども達に伝えると歓声が起こりました。次時では実際に記者の方に色々とお話を聞いて,記事作りのポイントをおさえたり,自分たちの記事作りの見通しを持ったりする時間になればいいなと思います。

 

少々長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました!


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