さて,授業も3時間目となりました。研究発表会当日は5時間目の予定です。それまで,このブログを使って子どもたちの様子を紹介していきたいと思いますので,興味をもたれた方は,是非,本校の研究発表会にご参加いただければと思います。
申込はこちらまで→https://elem.educ.kumamoto-u.ac.jp/the_study/
さて,今回も単元の話に入る前に少しだけ,授業に対する私の思いを書かせていただきます。
今までが長すぎたので今回は短くいきたいと思います。
今回は,相互評価についてです。
前回のブログで「中間発表」のことを子どもたちが話していたと思いますが,その点についてです。
昨年度より子どもたちの相互評価の場について考えています。評価とはこれまで,子どもたちにとって一方的に「される」ものであったように思います。しかし,本来,評価は子どもをより高めていくためのものです。そこで,相互評価を行い,その後その評価についてお互いに話し合う時間を設定しています。相互評価はだいたい4人で行うのですが,仮に,A,B,C,Dさんとしましょう。例えば,AさんはDさんのプレゼンに対して△の評価をしていたとします。それに納得のいかないDさんは,「私は○だと思うけど,なんで△なの?」と異議申し立てをすることができるわけです。これにより,A,Dの双方のプレゼンに対する考え方が表出し,プレゼンを深めることができます。また,Dさんのプレゼンに△をつけていたAさんですが,Bさんも△で,Cさんは◎でした。こうなると,A,BはCさんに「なんで◎になるの?」と問うことになります。こうして,一人のプレゼン等に対する評価のずれを基に対話が生じていくわけです。
どうでしょう?子どもたちの評価についての対話の中に様々な見方・考え方が表出してきそうだと思いませんか?そして,働かせている見方・考え方を交流することで,子どもたち一人一人の学びも子どもたち自らが深めていっていると思いませんか?
そして,この評価する際の基準となるものを子どもたちと単元の導入で明らかにすることで,その後の活動の質も上がってきますし,自分たちでその基準すらつくりかえていく姿っていいなと思っています。
研究発表会ではその辺りの子どもたちの姿もお見せ出来たらと思っているところです。
3時間目(1/18) 【本物の人に出会い,「自分たちにできること」を考えるために必要なことを知る】
本時は,実際に国際協力を過去にされており,今でも活動を継続されている渡邉さんにお話を聞く場を設定しました。講話の内容を簡単に紹介したいと思います。
渡邉さんは,アフリカのマラウイで医療支援をされていた方です。初めにマラウイの様子を様々な写真や動画で教えてくださいました。その後,渡邉さんがJICAで活動を行うきっかけとなった地球規模の課題を提示されました。貧困に直面する子どもたちです。また,貧困の連鎖についても提示され,親の収入が安定しないことから子どもが労働力とみなされ,それにより教育を受けることができず,その子どもも安定した職業につけないというものでした。そして,マラウイにも水不足の問題や医師不足による健康の問題がありました。そこで,渡邉さんは,看護師としての仕事の傍ら,診療所で健康に過ごすための歌を歌ったり,学校で手洗いの歌を歌ったり,赤ちゃんをもつお母さんに離乳食のつくり方を教えたりと自分たちで健康になるための支援を独自にされていました。
休憩をはさんで60分の講話でしたが,子どもたちは真剣に聞き,渡邉さんの質問にも自分なりの考えを表現していました。
最後に質問の時間をとると,JICAに興味が出てきた子どもたちが,待遇面や参加する方法などを聞いていました。その中で,この会を開くきっかけとなった発言をしたまさみさんが次のような質問をした。
まさみ JICAから帰ってきて,今個人でされている活動って何かありますか?
渡 邉 その質問待ってました!
実は,今,マラウイのHIVの患者さんたちと一緒にやっていることがあって,それは,石けんを作る ことです。石けんで手を洗って清潔にするっていうのもあるんだけど,その石けんを売って収入を得る ことができるようにしています。あとは,色々な補助金があるので,その申請をしたり,石けん以外 にも色んなものを作って収入を得ることができるようにしたりしています。
正に自立に向けた支援のお話である。中村哲さんの活動や先ほどの歌の活動等を関連付けながら子どもたちが支援の在り方について考えることができれば,自立に向けた支援と即時的な支援の違いに目を向けることができると考えます。
コメント
コメントを投稿