教育実習②「子どもの側に立って授業する」ことの基本である「各学習活動の『つながり』」

 ~前回の続き~

 教育実習生が頑張って指導案を仕上げて,授業を行います。
 その授業は,実習生本人が指導案に記述した「学習活動」の通りに進められていきます。

  しかし,そこには学習活動間の「つながり」が感じられません。

 どういうことかと言いますと・・・

  「つながり」を,簡単に言うならば,「次の学習活動は,前の学習活動とどのような関係性で行われるものなのかを子ども自身が把握(納得)すること」というようなものです。
 
 例えば,国語の説明文「生き物は円柱形」において
 題名を読んで,子どもたちに「生き物は円柱形だと思いますか?」と問います。
 すると多くの子どもは様々に事例を挙げながら,「円柱形ではない」とか「円柱形とは言えない」と話します。
 そこで授業者である教育実習生は次の学習活動に進むために,「そうですね。では,本文を読んで,段落を始め・中・終わりに分けてみましょう」と指示する、といった具合です。
 ちょっと極端な例を挙げましたが,これだと,子どもの中には「どうして段落分けをしないといけないの?」と頭の中はきっと「?」が付いた状態が多くいたと予想されます。
 
 「つながり」を意識するならば,同じ「本文を読む」という活動でも,そういう言い方ではなく「そうですね。生き物は円柱形とは簡単には言えそうにないね。でもどうして,筆者は「生き物は円柱形」と考えているんだろう。どうすれば,筆者の考えていることが分かりそうかな?」というような声かけが有効ではないでしょうか。
 すると,子どもも,「そうだよね。どうして筆者はわざわざ生き物は円柱形と言っているのだろう。読んだら何か分かるかも」と特に無理することなく次の活動に移ることができます。

 このような「つながり」は,本校が大切にする「子どもの思考に寄り添った文脈的なプロセス」の基本であり,授業改善の有効な方策と言えます。

  私自身,難しさを感じながらもこの「文脈的プロセス」を大切にした授業づくりに取り組んでいます。
 

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