本校社会科の安倍堅介です。今回は「これからの自動車づくりプランを提案しよう」第2時・第3時の実践を紹介したいと思います。
第1時では、トヨタグループの新車販売台数の現状から切実な思いや(日本の会社を応援するために)自動車を提案してみたいという思いを高めたうえで、トヨタ自動車の方にこれからの自動車を提案するという単元の主題を設定しました。第2時・第3時では、子どもたちが工場見学を通して、自動車のつくられ方の工夫やそこにこめられた生産者の願いや思いにどのように気づいていくのかをお伝えします。
それでは第2時・第3時の子どもたちの様子です。
第2時・第3時の目標
トヨタ自動車の工場見学を通して、自動車生産に携わる人々の工夫やそこにこめられた願いや思いを捉えることができる。
主な学習活動
① 工場見学を通して、自動車生産に携わる人々の工夫について理解する。
②
自動車生産に携わる人々の工夫から生産者の人々がどのような願いや思いをもっているのか話し合う。
学びの様子
①
工場見学を通して、自動車生産に携わる人々の工夫について理解する。
工場見学をする前に、前時のある子どもの振り返りを取り上げました。
T:Aさんの言いたいこと分かる?
C:自動車が始めの視点からどういう風に変わっていったんだろうって・・・
T:その視点ってなんの視点かな?
C:どうやって作られてきたかっていう視点。
C:どんな気付きがあって変化してきたかっていうことだね。
T:それが分かったらよいことがあるの?
R:どんなことを最優先に考えてきたかが分かれば、それを考えてよい車ができるでし
ょ。
T:Rさんが言っている意味分かるかな?これまでの生産の視点が分かったらそれを・・・
C:その視点でプランを考えるとよいってことね。
C:自動車を生産する時の視点だね。
②
自動車生産に携わる人々の工夫から生産者の人々がどのような願いや思いをもっているのか話し合う。
工場見学を通して、生産ラインのことやジャスト・イン・タイム方式など生産の工夫を理解することができました。そのうえで、どのような生産者の工夫や思いがあったのか問うたところ、以下のようなやり取りが見られました。
C:検査項目が多いとか品質にこだわっているところが工夫だった。
C:1800項目は厳しすぎる、日が暮れるよ。
C:人が乗って検査していたね。
C:触って検査していたね。
T:ロボットに任せた方が楽でいいのでは?
C:ロボットでは基準が人間と違うと思う。きちんと最後まで人の手でした方がいいと思う。
C:ロボットは細かい作業が苦手だと言ってたよね。一つ一つの細かいところは人間の手でやるべき。
C:それにロボットが故障したら作業がストップしちゃって、効率も悪くなる。受注生産の
流れが悪くなると思う。
C:見る目が違うと思う。
T:どういうことかな?
C:僕たちがもっている目と職人さんがもっている目は違うじゃないですか。
C:確かめる目は人じゃないとダメ。
T:みんなが生産者の立場だったら1800項目の検査できる?
C:大変。合格するまで何回も検査するって言われていたよ。
C:自分はできないかも。どこか見落としそう・・・
T:生産者の方はどうしてそこまでするのかな?
C:乗る人に安全に乗ってほしいって思っているんじゃないかな。
C:品質も大切にしていますって言われていたよ。
C:品質つながりで、パンフレットにトヨタマークには信頼という意味があるって書いてあ
るよ。
T:今回の学習で工業生産で大切な視点は見つかりましたか?
C:多くの検査をしていたことから安全や安心だと思う。
C:らくらくシートは作る人の快適さにもつながっていたね。
C:愛情のこもった車を生産する。
C:愛情?半分分かる。
T:どういうことかな?
C:品質にこだわるってこと。
C:なるほどね。
工場見学後に生産者の工夫やその背景にある思いを考えることを通して、工業生産で大切な視点に気付いていく子どもたちの姿が見られました。第4時では子どもたちが調べてみたいと考えた現在生産されている自動車について調べ考える時間にしたいと思います。これから子どもたちはどんな自動車を提案したいと思いをもっていくのか、その姿もたのしみにしております。
以下は本時のふり返りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
社会科 安倍 堅介
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